2010年7月28日水曜日

当事者ではない方に観ていただきたい

                                                                                                    よもぎ
 昨日、DVDを拝受し、さっそく鑑賞させていただきました。

高度な演出、映像技術、そして丹念な積み重ね……感嘆致しました。
当事者の方たちの、前向きの勇気(無闇に要求されるポジティブ性を遙かに超える明るさ)も感じられますね。
その一方で、キム・スナイダー監督と篠原三恵子さんの絶えざる勇気と、その後の侵襲の重さにも思い至らずにはいられませんでした。
有原さんのご助力の重大さもよく判ります。

個人的には、これまでの人生の塊が一気に崩れ、瓦礫となって音を立てて降りかかってくるような思いで……この思いを分かち合える人は誰一人いないということを痛烈に思い知らされ、受容したつもりだったすべてを、本当には受容などできていないと……しばし茫然としておりました。

現在も、食事と入浴(シャワーでも)は非常に覚悟の必要な行為で、できればせずに済ませたいことです。(実際に就床70%くらいなので、入浴は可能な限りパスしています)
とはいえ、スティーヴン君のような手厚い看護を受けたいかというと、それも否というほかはないです。

頭、耳、目、声だけの作業に集中できれば……と、思わなかったわけではありません。
2005~2007年の2年間はほとんどそういう状態だったので(胃瘻や中心栄養点滴までは必要としませんでしたが)その当時を懐かしむ気持ちは、まったくないとは言えません。

動ける時間ができて、動いていさえすれば周囲が安心する……そのためにできなくなったことも、また数多くあります。共存することが、非常に微妙で難しい病態です。

どれほど多くの人が今も尚、よりよく生きたいと強く願いつつ、同時に死なせてほしいと願っていることでしょう。

できるだけ多くの、当事者ではない方に観ていただきたい映画ですし、さらなる究明を深めていただきたいと同時に、やはり「生きる道」を作ることが可能な援助を確立して欲しいと強く願います。(埼玉 よもぎ)

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